2013年 11月 25日
行ってみなければわからないこと
福島県富岡町まで行って来た。
福島第一原子力発電所から20km圏内の富岡町は
一部の場所で、日中の立ち入りが自由となっているけど
それ以降は立ち入り禁止。住んでいる人はもちろんいない。
向かう国道沿いには、除染された土や瓦礫など放射能のゴミが無造作に置かれていて、この黒い袋たちの行き場は決まっていないみたい。
富岡町はまだびっくりするくらい放射線量が高く、
車の中でも1μsvまで跳ね上がる。(ちなみに京都だと0.1以下)
軒下とかではその10倍15倍になるところもあるらしい。
町に入ったあたりから、数値はどんどん上がりはじめ、
線量計の警報アラームはなりっぱなし。
自分の人生でこんなことがあるとは思わなかった。
ひしゃげた車
崩れた家
時間が止まった町。
線量が高いため、震災津波の被害が当時のまま残っている。
津波をかぶった富岡駅。
駅舎の向こうに海が見える。
その風景は、本当に美しいものだった。
でもわたしはこわくて車の外には出れなかった。
この場所は、何も終わっていない。
けど、それと同時に、原発の数十km圏内の地域は事実上無い。とも思う。
除染の困難さ、原発の不安定さ、再事故の可能性、廃炉の難しさ、どうすることもできない核燃料廃棄物の保管場所を考えると。
当時は津波で壊滅的だった海岸線沿いで
復興が進んでいる場所もたくさんあった。
汚染さえなければ、ここはとっくに元の美しい町に戻ってたよなー。
原子力発電、あかんわー。どーすんの、これ。と
他にもいろいろしゃべりながら帰ってきたけど、
もちろん「原発がなければ」、、、それは答えではない。
原発とひとことに言っても、いろんな問題が小さく緻密に組み合わさって、それがまた別の問題とつながってたり、とても複雑でややこしくて難しくて。
友達からも知らなかったことをいろいろ教えてもらい、
わたしが知ってることなんてほんとーに氷山の一角だったなと思った。
あまりにも巨大でとても個人でなんて考え続けていけない。
もういいわって脇に置いてしまうこともある。
でも、だからこそ、人と話をすることが大事だなと思う。
そして、わたしにできるのは、こうして見てきたものを人に伝えることくらい。
日本の中に、今こんな場所があるということを。
行ってみなければわからないことは多い。
富岡町はここらへんです。
(避難指示区域について)
by snow-ocean-moon1
| 2013-11-25 21:21
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